「ブシュッ!」「クシュンッ!」とワンちゃんがくしゃみをするのを見たことはありますか?ヒトと同じように「風邪」や「アレルギー」が原因で引き起こされることもありますが、なんと「歯周病」が悪化してくしゃみの症状につながることもあります。
今回はワンちゃんのくしゃみが何故歯に影響を及ぼすのか解説していきます。
そもそもどうしてくしゃみが出るのか、その仕組みについても触れていきますので、ご自身のヒトとしての体の仕組みを理解しながら、家族であるワンちゃんの歯への影響を知っていきましょう!
ヒトの鼻と口は空気を取り込む、いわば ”吸気口”です。吸い込む大気中の空気にはホコリやウイルスなど病原体などの「異物」が含まれていますが、体内に異物が入ると負担が大きくなってしまいます。そこで常に湿っている鼻腔内の鼻の粘膜に、そのような異物がくっつくと、体は異物を排出するように働きます。粘液が大量に分泌されて「鼻水」となって鼻から出たり、さらに鼻腔を腫らすことでそれ以上異物が侵入しないように防ぐ「鼻づまり」などの反応が起こります。
くしゃみもその一つで、口と鼻から勢いよく異物を排出するために起きる防御反応です。
本来ホコリや花粉などはヒトにとって無害なものですが、体がアレルギー反応(異物と勘違いする反応)を起こすことで鼻炎症状として発症します。アレルギー反応は体質の違いによって起きる人と起こらない人がいるため、花粉症の人とそうでない人などが存在します。
ワンちゃんもヒトと同じように異物が入るとくしゃみをすることがあります。よくあるのが水を飲んだ時に鼻に水が入ることが原因でくしゃみをすることもあります。この場合は水のボトルやお皿の位置が合っていない場合があるので高さを調節してあげる必要があります。
季節の変わり目で風邪が原因でくしゃみをする子もいますし、アレルギーのある子も中にはいますので、花粉や他のアレルゲンに反応している可能性もあります。
シニア犬は歯周病が原因でくしゃみをすることがあります。
歯周病になると歯の根っこに膿が溜まり、この膿が次第に鼻腔内に侵入することで鼻炎を起こし、くしゃみが止まらなります。
歯周病の治療は全身麻酔の手術が基本ですが、高齢犬には体への負担が大きいため、治療をしない選択を選ぶ飼い主さんもいらっしゃいます。
手術が必要になってしまう前に、「歯磨き」で歯の汚れを落としたり、お口の中を善玉菌が多くいる環境にする「菌活」をしていきましょう!
いかがだったでしょうか?人と同様に鼻がムズムズしたからくしゃみをした、という場合もあれば、歯周病などの病気のサインでくしゃみをするなど、くしゃみの原因は状況や年齢によって様々考えられます。
すぐにくしゃみがおさまらず連発で出たり、日常的にくしゃみを繰り返すようであれば一度動物病院を受診し、相談してみましょう。
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