お口の生態系コラム
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同じアジア圏でもこんなに違う!台湾と日本のペットのお口ケアの今

台湾現地記者 asu.y

愛猫のお口から「生臭いニオイ」もしかしてわが子にも治療が必要かも…

台湾に住んでいる我が家の猫は、動物愛護センターから引き取ってきた元野良猫です。野良猫にしては人懐っこく、一緒に遊んだり撫でたりすることは許してくれるのですが、抱っこされるのは大嫌いという自由奔放な性格の可愛い家族です。

さて、そんな愛猫と一緒にベッドでゴロゴロしていた時のこと。猫が「クワァ」とあくびをすると、なんだか口から生臭い匂いが……。恐る恐る猫の口元の匂いを嗅いでみると、なんと口からするニオイでした。

その際猫を飼っている友人の話をふと思い出しました。その友人の猫も元は野良だったのですが、その野良猫生活の間に歯が悪くなってしまっており、結果的に抜歯の手術に40,000円以上もお金がかかってしまいました。

今回はもしかしたらうちの子も治療が必要…?と感じ、台湾での猫の歯の治療&オーラルケアにはどのようなものがあるのか、調べてみました。日本との値段、オーラルケア商品のラインナップを比較しながら、ご紹介します。実際にオーラルケア商品を使ってみた使用感もお伝えします。最後までお楽しみに!

健康保険の適応でこんなに違う?!台湾と日本の歯の治療費の違い

猫を飼っている友人の話を思い出して恐ろしくなった私は、台湾の動物病院での抜歯治療の金額を調べてみました。

まず日本での抜歯治療は、金額に幅があり、歯の状態によっては40,000円以上お金がかかる場合もあります。対して台湾の動物病院で歯の治療をすると、約15000元〜20000元、日本円にすると58,000円〜78,000円程度かかるとのことでした(2021年4月時点)。

ちなみに人の場合はどうかというと、私は台湾で虫歯治療をしたことがありますが、その時の金額は健康保険が適応されて、一回あたりの治療が50元(200円程度)でした。

病院と治療内容によっても相場は変わりますが、台湾では人も動物も健康保険適用の有無が金額に大きく影響します。

台湾ではどんなペットのオーラルケア商品を購入することができるのか?
日本と同じように歯磨きのブラシや歯磨き液が販売されている

デンタルケアの商品棚の画像

とはいえ、歯の治療をしなければならない状況になる前に、オーラルケアをすることで、飼い主自身で、愛猫の歯の健康が守られるというのであればそれに越したことはありませんので、台湾で主流の猫のオーラルケア方法についても調べてみました。

調べてトップにでてくるオーラルケア商品は、人間と同じように物理的に汚れを落とすことを目的とした歯磨き商品です。台湾ではペット用の小型歯ブラシ(200~300元、日本円で760〜1,150円程度)を使うか、フィンガー歯ブラシ(400~500元、日本円で1,500〜1,900円程度)という指サックのようなものを指にはめて磨く商品が販売されています。

その次に出てくるオーラルケア商品はハミガキ液(400~500元、日本円で1,500〜1,900円程度)で、これはペットの口に直接スプレーしたり、舐めさせたり、飲み水に入れたり、人間の指や布に吹きかけてペットの歯を拭いたりするという用途のものがありました。

近年歯周病や口臭の原因として、口腔内の菌環境が理由の一つとして挙げられており、ハミガキ液は、口内の悪い菌を殺菌する目的で使われるものが多いです。

ただこのような殺菌を目的としたものは、お口の中の良い菌も殺してしまったり、薬剤耐性菌の問題が生じることもあるため、注意して使う必要があります。

また比較的簡単なお口ケアとして、猫用のハミガキおやつ(60~70元、日本円で230〜270円程度)、やデンタルケアの成分が含まれている猫用のカリカリおやつ(1.5kg:700元、日本円で2,700円程度)を与えるなどの方法が挙げられます。ですが、カリカリおやつなどは猫ちゃんが食べる時に丸呑みにしてしまうことも多いので、100%歯の汚れや歯周病の予防になるとは言い難いのかもしれません。

そのほか、近年では乳酸菌KT-11などお口の菌バランスを考えた「プロバイオティクス技術」を使用した「益菌ハミガキスプレー」(350元、日本円で1,350円程度)や、サプリメント「益口菌」(900元、日本円で3,500円)も市場に出ています。この乳酸菌KT-11は、特許で認められている菌株です。特許を使った製品があると聞くと、菌の持つ力がどれだけお口ケアに有効なのかちょっと試してみたくなります。

<参考サイト>

IN-PLUS
PS-BUBU

台湾のペット用品店の売れ筋商品は簡単にケアができるタイプや遊びながらできるケアグッズ

歯磨きの商品棚の画像

ペット用品に詳しい人にも話を聞きたいと思い、動物病院に併設されているペットショップにも行き、台湾のペット用品に詳しい店員さんに話を伺いました。

人気がある商品は猫の唇の端に直接塗布するタイプのハミガキ液か、指サック型のフィンガー歯ブラシでした。猫は気まぐれな性格や臆病な子もいるため、大人しく歯を磨かせてはくれる子はそう多くありません。そのような子は遊んでいる間や、スキンシップしている際に、苦労せずに塗布することができる、口に塗るタイプハミガキ液が一番人気で、ペット用品店でもオススメしているのだそうです。

確かに、我が家の猫も普段はじっと落ち着いて、なかなか歯磨きをさせてくれそうにはありません。ただ、一緒に遊んでいて興奮すると、私の指に歯をガリガリと当ててくる癖があるので、指にはめるだけで遊びながらお口ケアが期待できるフィンガー歯ブラシは効果がありそうです。また、我が家の猫は比較的よく噛んで食べる猫なので、ハミガキおやつも有効かもしれないと思い店員さんに聞いてみたのですが、やはり直接歯磨きするのに比べればそれほどの汚れを落とす効果はないとのことでした。

とはいえ、ハミガキおやつに、全く汚れを落とす効果がないというわけではありません。歯磨きとは別の+αのお口ケアとして、ハミガキのおやつをあげることでお口のケアをしていくことも方法の一つとして考えましょう。

「少し指が痛い…でもこれも愛猫のため!」オーラルケア商品を実際に使ってみたら……

猫がご飯を食べている画像

今回の調査にともなって、私はハミガキ液とフィンガー歯ブラシ、ハミガキおやつを購入しました。

帰宅して早速、愛猫に試してみたのですが、案の定、一番ウケが良かったのはハミガキおやつで、モリモリ食べていました。ハミガキ液は塗布するだけとはいえ、かなり苦戦…。

考えてみれば、こちらは口のケアのためと分かっていても、猫からすれば、未知の液体を口に塗られているわけなので驚くのも無理はないですよね。初めて愛猫に試すお口ケアグッズは、使用方法があったとしても、徐々にそのものに慣れてもらい焦って、不快や恐怖を与えないように注意しましょう。

続いてフィンガー歯ブラシも使用してみると、歯ブラシをはめた私の指をガリガリとかじってくれました。「(少し痛い…)」と心の中で感じながらも、この指の痛みが愛猫の口内の健康につながるというなら…と我慢しました。このフィンガー歯ブラシのさらに有効な使用方法として「ローリング」というものがあります。口の皮膚をめくり、指を上下に回転させ、歯にあてるという磨き方です。最初のうちは遊びながら噛ませるのも大切ですが、慣れてきたらこのような磨き方で汚れを落としましょう。

詳しくは別記事&動画で獣医師の幅田先生に歯の磨き方について解説していただきましたのでそちらもぜひ参考にしてみて下さい!ローリングという磨き方についてもご紹介しています。

<関連記事>

獣医師監修【動画解説あり】犬・猫の歯みがき~上手なステップアップ術~

今回のペットショップでは、菌バランスに注目されたプロバイオティクスなお口ケア商品がなく、購入できなかったのが少し残念でした。

近年台湾のプロバイオティクス市場も拡大の傾向にあるようなので、そのうち実店舗の方でも買えるものが増えるのではないかと思います。猫ちゃんにも飼い主にも健康にも優しい商品が、これからもっと増えていくことを期待しています。

こうした日々のお口ケアに加え、年に一回の頻度で病院の歯の検診やクリーニングに行くべきです。

獣医師の先生の指導も受けながら、長く自分の歯でご飯を食べ、健康に過ごしてもらうために、お口ケアを怠らないようにしていきましょう。我が家の愛猫も動物病院に歯のクリーニングに今度連れて行こうと思います!

ふわふわの毛の生えた私の子供「毛孩子」

猫がくつろいでいる画像

台湾には「毛孩子」という言葉があります。もともとはまだ何も知らない小さな子供という意味の言葉だったのですが、近年ではそれにペットという意味合いが加わりました。

ペットもその家の子供であり、大切な家族の一員ということです。大切な家族の一員であるからには、人間と同じように、その健康も守りたいところ。健康を維持するためには、きちんと食事をとる必要があり、食事をとるためにはお口と歯の健康を守らなければなりません。

ペットにも飼い主にも無理なく続けられるオーラルケアの方法が、これからもどんどん増えることを願うばかりです。

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