お口の生態系コラム
Column
  1. トップページ
  2. お口の生態系調査報告記事
  3. 「ボイスCLIP」取材レポート
  4. どれが正解?国によって異なる“歯磨きをするタイミング”

どれが正解?国によって異なる“歯磨きをするタイミング”

カナダ現地記者 Mitsuko_K

アメリカでは「朝起きたら」、日本では「食後」…国によっても歯磨きのタイミングは違う!

「歯みがきをいつどのタイミングで行うのか」これはとても大切なことです。いつ歯を磨きますか?と日本人に聞けば、ほとんどの人が、「食後」と答えるはずです。

食事を食べて汚れた歯を掃除してから出かけるイメージがありますが、海外に目を向けてみると、日本とは異なるタイミングの歯磨きが一般的になっています。

皆さんはブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーが主演した映画、『Mr.&Mrs.スミス』を観たことはありますか?物語の中で、歯磨きのシーンが出てきますが、彼らは起きてすぐに、2人そろって電動歯ブラシで歯を磨き、その後朝食を摂ります。食べ終わった後は歯を磨きません。

このほかにもアメリカの映画やドラマで食後に歯を磨くシーンは出てこないため、これがアメリカ人の日常だと考えられます。

このように国民の大半のタイミングが、その国の「常識」となっている場合が多いですが、実際のところ、口臭や、歯周病、虫歯といったお口トラブルを回避するためには、どのタイミングでの歯磨きが最も適切なのでしょうか?

今回はその真相について解説しつつ、カナダでの歯磨きのタイミングについて現地記者よりご紹介いたします。

歯磨きは「起床後すぐ」にすべし!朝のお口は雑菌だらけ

実は、起床直後はもっとも口内細菌が多い時間帯です。

朝起きてすぐは、寝ている間の唾液の分泌量の低下に伴って、口の中の歯垢や細菌数が最大になるばかりか、細菌によって作り出された毒素の濃度も最大になります。

どの程度不衛生かというと、この際の唾液1ミリリットルに含まれる細菌数は、便に含まれる細菌数の10倍にも及びます。

つまり、朝起きてすぐに歯を磨かない人は、実は、これらの菌や毒素を毎朝大量に飲み込んでいるのです。

<関連記事>

■KAO HEALTH CARE REPORT No.32
■ウーマンウェルネス研究会

朝忙しいのが原因?起床後歯をすぐに磨かない日本人

2017年10月、20代~60代の男女519人を対象にインターネットで「朝はどのタイミングで歯を磨くか」というアンケートが実施されました。

その結果51%が「朝食後」、34%が「朝食前(寝起き直後)」、8%が「朝食前(寝起き直後)と朝食後の両方」という回答でした。

「朝食後に歯を磨く」「朝は歯を磨かない」と答えた人が半数を超え、この結果より、約6割が口内が雑菌だらけのまま朝食を食べていることが判明しました。

朝食後に歯を磨く人は4割以上

<関連サイト>

「歯磨きに関する調査(実施:シャボン玉石けん)」

朝食前に歯を磨かない理由は「朝食後に歯を磨くから」(57%)、「歯みがきの直後に食事をすると味が変わるから」(28%)という回答が多くありました。

忙しい朝、歯磨きと食事の間の時間を空けられないことも要因としてあるかもしれません。

ですが、細菌を大量に飲み込むことは不衛生なだけではなく、消化器へのダメージにつながる可能性もあり、胃がんや胃腸炎などの胃の病気の原因にもなり得ると言われています。

面倒ではありますが、朝起きた際の歯磨きは忘れずに行うようにしましょう。

総勢45名に聞き取り調査!カナダ現地での一般的な歯磨きケア事情

日本人の多くの人が歯を磨くタイミングを誤っていることが分かりました。それではカナダではどうでしょうか?

今回は、現地記者の家族、知人友人45名の普段の歯磨きスタイルについて聞き取り調査をしました。学校や歯科での歯磨き指導などについても調査しましたので併せてご紹介していきます。

カナダではサイトにて公開されている歯磨き方法が浸透している

The State of Oral Health in Canadaのサイトによると、カナダ人の73%は1日最低2回歯磨きをし、28%の人は週に5回はフロス(糸)を使って歯間の汚れを取り除きます。

また、CANADIAN DENTAL ASSOCIATIONのサイトでのお口ケア指導でも、1日2回の歯磨きと1日1回フロスを使うことを推奨しています。このサイトの指導に基づいて歯科や学校での歯磨き指導においても、同様のことが言われています。

私と家族も皆、1日2回の歯磨きと1日1回のフロスをしています。ちなみに、朝は電動歯ブラシを使っての歯磨きのみ、夜は電動歯ブラシと、水を使って歯間の汚れを取り除くウォーターピットを使って歯を綺麗にし、マウスウォッシュで仕上げます。

周りの友人やその家族合わせて45人にもどのようなお口ケアをしているのか、調査したところ、80%が同様のやり方をしていました。

日本との大きな違いは、共通の指導方法で、歯磨きの回数や、フロスの使用を推奨されているところでしょう。

食後、最低20-30分は歯を磨いていてはいけないとカナダでは指導

夜は、寝る前に歯を磨くというのが、カナダでは一般的のようですが、朝の場合はどうでしょう?カナダでも日本のように寝起き直後ではなく、朝食後に歯磨きをする人の方が多いのでしょうか?

私は、小さい頃は朝食後に歯を磨いていたのですが、成長するにつれて寝起き直後に歯を磨かないことに気持ち悪さを覚え、寝起き直後と朝食後に歯を磨くようになりました。さらに高校生からは、昼食後にも歯を磨くようになりました。

現在も、寝起き直後に歯磨きをしていますが、朝食後は基本的に歯を磨きません。家族も同様です。

ただ、カナダはアレルギーを持っている子供が多いため、子供たちが朝食にピーナッツバターなどのアレルギーを引き起こす可能性のある食品を食べた時には、例外として、歯磨きと手洗いをさせてから登校するように教えています。

先ほどと同じ45人にも調査をしたところ、73.3%が寝起き直後に歯磨きをするとのことでした。

大半のカナダ人はアメリカ人の歯磨きケアのタイミングと同様、寝起き直後に歯を磨くことが分かりました。日本の歯磨きのタイミングも、他国に合わせて変化していくことを期待します。

また、CANADIAN DENTAL ASSOCIATIONのサイトの歯磨き指導では、「歯を磨く前に、食べてから少なくとも20〜30分待ってください」と記載されています。

朝食後すぐに歯を磨いていけない理由は、DEER VALLEY DENTAL CAREのサイトでも詳しく以下のように紹介されていました。

オレンジ、グレープフルーツ、レモンなどのクエン酸を含む食品は、しばらくの間歯のエナメル質を柔らかくする可能性があり、食べた直後に歯磨きをすると、弱くなった状態のエナメル質が損傷する可能性がある。

ジュースによく使われているリン酸は歯のエナメル質を侵食し、その下の敏感な組織を損傷する恐れがある。

このように、食べ物飲み物によってお口の環境が変化した状態で、歯を磨くと、歯に深刻なダメージを与えるため、朝食後30分ほど待ってから歯磨きすることが推奨されています。

「食べたらすぐに歯を磨く」ことを教えられてきた日本人にとって、この指導は衝撃的なのではないでしょうか?私も初めて聞いた時、驚いたのを覚えています。

ですが朝食後、30分も待っている余裕がないという方もいるかと思います。その場合は、水を飲むか、砂糖を含まないガムを噛むことで、お口ケアにつながります。

その他には酸性のものを食べた後は、糖分や炭水化物が少ない栄養価の高い食品を食べると、有害な酸を減らすのに役立ちます。また、食事間の間食を制限し、ジュースやお菓子を減らすようにすることも歯を健康に保つコツです。

カナダでの歯磨きタイミングは最適!より適切なタイミングでお口ケアを有益なものにしよう

いかがだったでしょうか?カナダでは情報サイトで歯磨きのタイミングについて、なぜその時間にしたらよいかという理由とともに国民に共有し、正しい歯磨きケアを国内に浸透させています

歯に汚れが付いたから、口の中が気持ち悪いからという感覚で歯磨きするのではなく、なぜそのタイミングで磨くのか理解した上で、有益なお口ケアになるよう頑張っていきましょう!

次回はカナダで人気の「電動歯ブラシ」についてランキング形式でご紹介します。お値段は?どんな機能があるの?などについても詳しくご紹介していきますのでお楽しみに!

<参考文献・サイト

■The State of Oral Health in Canada
■CANADIAN DENTAL ASSOCIATION
■healthline
■DEER VALLEY DENTAL CARE
■ElectricTeeth

<関連記事>

■「丁寧な暮らし」のブームも関係?中国で日々進化する最新お口ケア事情
■治療費はほぼ自費?!お口ケアの国“シンガポール”
■ “歯の美意識大国”カナダのデンタルケア事情
■【検証】ワンちゃんの歯磨き、「する」と「しない」の1年後の驚きの差!~イギリスの歯科治療と歯磨きの現状レポート~

※当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。また、まとめサイト等への引用を厳禁いたします。(Unauthorized copying and replication of the contents of this site, text and images are strictly prohibited.)

お口の生態系放送局の記事では菌と健康について、できるだけ多角的にご紹介できるよう努めています。
下記よりメールアドレスをご登録いただければ、有益な情報のみお知らせいたします。


 

この記事をご覧の方は以下の記事も読まれています。