お口の生態系コラム
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消せる口臭と、どうしても消せない口臭。その違いとは?

唾液、食べ物など生理的&外的な口臭、そして歯周病菌や疾患などによる病的口臭。この中でなかなか消せなくて多くの方を悩ませているのがどの口臭なのか。そしてどうすれば消せるのか?そのメカニズムにクローズアップしてみましょう。

新型コロナで注目されだした口臭問題

まず口臭についてみなさんはどの程度意識しているのでしょうか?これまでは他人の口臭を感じる機会はあっても、自分の口臭に気づく機会はそう多くはありませんでした。しかし新型コロナの影響により、ほとんどの方がマスクをするようになり、自分の口臭が気になるという方々が増えている、という調査データがあります。

マスクによって半数以上の人が自分の口臭に気づいた?!

口臭に関する意識調査は2020年9月23日~29日に、歯科医の検索サイト「歯科タウン(下記)」で実施されました。その中の『マスクが習慣化したことで、口臭が気になるようになりましたか?』の質問では、マスク着用によって半数以上の人が自分の口臭に気づくという結果になったのです。

その調査結果の内訳ですが、マスク着用によって・・・
■自分の口臭は気になるが他人の口臭は気にならない(38.6%)
■自分の口臭も他人の口臭も気になる(15.7%)
※マスク着用によって、自分の口臭に気づいた人は54.3%。
つまり半数の人はそれまで自分の口臭には気づいていなかった、ということです。注意ですね。

<歯科タウン調査>
口臭に関する意識調査

その口臭の原因、もしかしたらお口の菌?!

いちばん最初に、口臭の大分類として、唾液、食べ物など生理的&外的な口臭、そして歯周病菌や疾患などによる病的口臭とお伝えしましたが、もう少し詳しく口臭を掘り下げてみましょう。

1-生理的口臭
唾液量が減ると、自浄作用が失われるため口の中の細菌が増え、それが口臭の原因になります。たとえば朝、起き抜けは最も強い口臭がすると言われていますが、皆さんはいかがですか?この原因ですが、寝ている間は唾液が出ないため口内に細菌が増え、口臭となります。また思い当たる人も多いと思いかもしれませんが、口を半開きにしていたり、口呼吸する人、あるいは緊張した時や加齢によっても唾液が少なくなり、口の中の細菌が増えて口臭となります。基本的には一時的な口臭で消せる口臭です。※ホルモンの変調による口臭も含まれます。

2-外因的口臭
この口臭は、その名の通り、飲食物や嗜好品による口臭です。みなさんはお好きなガーリック料理ありますか?ニンニクたっぷりラーメンや餃子、ペペロンチーノ、アヒージョなどなど、大好きな方は多いと思います。こうしたニンニクやニラなどのにおいの強い食べ物、タバコやアルコールの摂取によって発生する口臭がこの外因的口臭です。これらによる口臭も生理的口臭同様に一時的なもので、消せる口臭です。

3-病的口臭
さて、問題はこの口臭。タイトルの消せない口臭の正体です。歯みがきや唾液の回復で消えないこの病的口臭は、歯周病など口の中の病気が原因の口臭と、糖尿病や肝臓病など、からだの病気が原因で発生する口臭があります。この「消せない口臭」ほとんどが歯周病などお口の健康に原因があります(下記調査)。

厚生労働省の「e-ヘルスネット」ページ最下部の大学病院・病院統計データによると、口臭検査・診断・治療で来院した患者さん(約1,000名)の約1/3が口腔内の清掃状態不良に伴う口臭、1/3が治療の必要な口臭は認められず、残りの1/3が口腔内の病気(歯周病)に由来する口臭でした。そしてわずか1%強が代謝性疾患・耳鼻咽喉系疾患・呼吸器系疾患などの口臭であったと報告されています。
■口臭の原因・実態(厚生労働省「e-ヘルスネット」)

つまり「消せない口臭」のほとんどが歯周病(歯周病菌/悪玉菌)によるものだったのです。

退治しやすい悪玉菌と退治しにくい悪玉菌。
問題の口臭菌は退治しにくい悪玉菌のラスボス?!

「消せない口臭」の犯人の名はF.n.菌(F.nucleatum)。この菌は、プラークの中心的菌で、他の細菌と集まって自身を守るバイオフィルムを形成。悪臭(口臭)の原因となることで知られています。

このバイオフィルムはさながら城壁のようなもので、殺菌剤や抗生剤でもなかなか壊せないやっかいな存在です。歯茎の中ですから歯ブラシも届きにくく、殺菌剤も跳ね返す。そうしている間にも歯と歯肉の奥へ奥へと侵入し歯周病を進行させてしまうわけです。いわば口臭を発生させるこの菌は、たとえるなら悪玉菌のラスボス的存在。退治するのが大変です。

最善の方法は歯周病にならないように定期的に歯科検診を受けて、歯石をとってもらうことと、歯垢を貯めないように日ごろのデンタルケア・・・なのですが、このラスボス的悪玉菌に打ち勝つ正義の味方のような善玉菌がいたのです。

歯周病原菌に打ち勝つお口の善玉菌とは?

歯科医院により実施された歯周病原菌に対するこの善玉菌の有効性調査の報告がありますのでご紹介します。

大阪府の歯科医院において、治療(自費)の一環として、歯周病原因菌に対する口腔プロバイオティクスの治療成績調査を患者30名に対して実施したところ『K12+M18の複合菌』による治療成績が特に良好だったことが報告されました(下記)。

<K12・M18による治療成績>

・調査方法
歯周病の原因菌として知られる6種(Aa/Pg/Pi/Tf/Td/Fn)について30名の患者に対し、口腔プロバイオティクスを使用し、その変化量をPCR-Invader法によって調査。※F.n.(F.nucleatum)菌:プラークの中心的菌。他の細菌と集まることで、バイオフィルムを形成。糖分解能がなく悪臭(口臭)の原因となる。

・治療成績
■6種の原因菌すべてにおいて抗生剤と同等あるいは抗生剤以上の成績
■特に、F.n.菌においては、2ヶ月で約6割減少。4ヶ月で約8割の減少成績
■これら治療成績はすべての患者に例外なく認められた。

<歯科医院・院長コメント> 
治験ではなく、費用は患者様負担により治療の一環で菌を検査した為、検査する項目に違いはあるが、世界中から良いとされる菌を摂り寄せて検査した結果、中でも『K12M18*の複合菌』による結果が特に良好だったため報告する。この結果は検査した患者全員に同様の傾向が認められた。

こうしたことから、口臭に悩まされないためには、日ごろからの歯周病予防が大切で、さらには口腔善玉菌による口内の菌バランスを良好に保つことが重要ということでしょう。 耐性菌発生リスクのある殺菌剤ではなく、口内菌叢(口内フローラ)のバランスを良好に保ち、自然の力でバイオフィルムを作りにくい環境を目指してみてはいかがでしょうか。

この口腔善玉菌K12・M18(ストレプトコッカスサリバリウスK12・M18)は現在各社よりリリースされていますのでご紹介します。

<K12・M18製品>
ブリスケア(サンビアン社)
ブリアン(ウィステリア製薬)
Zendaman(プレミアモード社) 
オーラルクリアSS-K12(DHC社)

<K12M18以外のプロバイオティクス>
ロイテリ(オハヨーバイオテクノロジーズ社) 

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