歯ブラシは、アメリカ人が“それがなくては生きていけない発明”として、なんと!・・・自動車や携帯電話、コンピューターを超えてトップだった、という驚くべき調査結果があります。
これは2003年にマサチューセッツ工科大学のMIT Surveyでの調査結果ですが、オーラルケアが健康寿命を左右する事実が広く認知されてきた現在を予測するような、先見性にあふれた調査結果だったと驚きを隠せません。さすが情報技術関連の先端を走る研究機関であり、世界大学ランキングで2012年から2019年まで、ハーバード大学及びケンブリッジ大学を抑えて、8年連続で世界第一位だったMIT(マサチューセッツ工科大学)です。
さてMIT Surveyでは、1996年以来、発明と革新に関するアメリカ人の認識を調査してきました。有識者も注目するこの調査で、自動車、パソコン、携帯電話、電子レンジ、それに歯ブラシの中から、生きていくうえで最も重要な発明は何かを尋ねた結果、なんとトップは、5世紀前に発明された歯ブラシで、成人回答者の42%、10代の回答者の34%から票を獲得しました。
◆調査記事リンク(Lemelson-MIT Survey)
Toothbrush beats out car and computer as the invention Americans can’t live without, according to Lemelson-MIT Survey
Publication Date:January 21, 2003
https://news.mit.edu/2003/lemelson
MIT Surveyの調査結果と呼応するように、現在、お口の健康が認知症、糖尿病はじめ全身の病気と大きな関りを持っていることが解明されつつあります。
その一例を少しだけご紹介しますと・・・・
・動脈硬化:血管内に入った歯周病菌が動脈硬化のリスクを高める。
・心筋梗塞:歯周病の原因菌が血管を通って心臓に入り心筋梗塞リスクとなる。
・肥満:歯周病の原因菌が血管を通って肝臓に入り肥満を促進するとされる。
・糖尿病:歯周病の原因菌がインスリンの血糖値を下げる働きを阻害し糖尿病リスクを高める。
・認知症:動脈硬化が脳梗塞の原因となり、認知症リスクを高める。
などなど、ほかにも重大な疾患の引き金になることが日本歯科医師会のサイトでも紹介されています。
さらに、歯周病対策が認知症の発症予防につながることなど、次々とオーラルケアの重要性を裏付ける研究成果が報告されています(下記)。
■認知症の原因が明らかに 発症予防には歯周病対策を
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000195437.html
■「歯周病」でコロナのリスクが増大 「すい臓がん」「認知症」「心筋梗塞」にも影響
https://news.nifty.com/article/item/neta/12280-830694/
このように、健康寿命維持にとって、とても重要な役割を果たしている歯磨きに必要不可欠な歯ブラシですが、発明されたのは歯周病が万病の元になることが判明した現在より遡ることおよそ500年前の15世紀の中国でした。
余談になりますが、歯磨きそのものは、世界の最も古い記録として紀元前1500年頃のエジプトのパピルスにあると言われており、起原5世紀のインドにおいては木片を咬砕したもので歯面を擦り始めた歯磨き習慣が、6世紀の仏教伝来とともに日本に伝わったとされています。この歯磨きが江戸時代でも房楊枝(ふさようじ)という、木を咬砕したもので磨かれつづけていました。
ところが江戸時代よりはるか前の15世紀、中国の皇帝が竹の台に豚の固い毛をかまぼこ形に植え付けた世界初の歯ブラシを創り出し、使い始めていたのです。お隣の国で使われはじめた世界初の歯ブラシです。この歯ブラシによって手の届きにくい隙間や奥歯の裏などを磨くことが可能になりました。この画期的な発明はその後ヨーロッパに伝わり、やがて世界へと広がって現在まで使われ続けているわけです。
加工食品や柔らかな食べ物が増えた現代の食生活は、15世紀当時と比較しても歯垢が付きやすい環境です。歯垢が歯石となり虫歯や歯周病を引き起こすことで、万病リスクを高めることが明らかになった今、歯ブラシの発明は、まさに生きていくためになくてはならない発明ですね
歯ブラシ発明の原動力は口腔ケアによって虫歯や歯周病にならないためでした。長年人類を悩ませてきた虫歯ですが、近年、虫歯を強力に予防してくれる口腔善玉菌が発見され、世界中の注目を集めていることはご存じでしょうか。
その菌とは「口腔善玉菌M18株(ストレプトコッカス・サリバリウスM18)」そして「口腔善玉菌K12株(ストレプトコッカス・サリバリウスK12)」。
これらの善玉菌については、善玉菌を増やすメリットなど、下記の記事でご紹介しています。
・歯周病を抑止する口腔善玉菌K12
・歯垢/歯石を抑止する口腔善玉菌M18
第一世代は「磨く」、第二世代は「殺菌する」、そしていま、「口内フローラ革命」とも言えそる、菌の力*を活用した「第三世代のオーラルケア」の時代がいよいよ始まろうとしています。
*口腔善玉菌を増やす
◆医療関係者向け情報(口腔善玉菌K12/M18)
https://zendaman-labo.com/medical/
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