これまでは「口臭」といえばイメージされがちだったのが「おじさん」でした。しかし2019年の調査で若い日本人女性の口臭がクローズアップされたのです。
まず日本人の口臭について。東洋経済Onlineの記事によると、日本を訪れた多くの外国人が驚くことは、日本人の口臭だといいます。
空港での入国審査のスタッフ、公共機関で乗り合わせた人々など、なんと72%もの外国人が「日本人の口臭が気になった経験がある」と回答していると紹介されています。
■「口臭」を気にしない日本人に欠けている視点(東洋経済online)
もしかしたら日本は世界的に口臭大国なのかもしれません。その日本においてもしも「若い女性の口臭が中高年のおじさんを超えていた」という結果が出たとしたら、どうでしょうか?
最近では臭いによって周囲を不快にさせる“スメルハラスメント”も社会問題化しつつあり、そこには当然口臭も含まれています。その当事者として若い女性が浮上することになるかもしれません。
口臭はこれまで若い女性とは縁遠いものという漠然としたイメージがありました。しかし、そのイメージを壊したのが2019年に「ブレス・ハザードプロジェクト*」により実施された口臭調査だったのです。
その調査レポートは、調査を実施した「ブレス・ハザードプロジェクト」による『口臭白書2019』に掲載されています。
*このプロジェクトは口臭について、歯科医・歯科衛生士、および歯科業界各社が連携し、様々な情報を発信する取り組みとして発足したものです。
『口臭白書2019』調査によると、口臭測定スコアにおいて口臭基準値をオーバーした人の割合が、男性8.3%に対し、女性は17.9%と、女性の方が2倍以上の割合でした(図1)。
そして、性年代別(図2)では、「中高齢層の男性」9.3%に対し、「若年層の女性」11.5%となり、中高年の男性より若い女性の口臭測定値が大きかったという驚きの事実がわかったのです。
さらに、その若い女性よりも口臭スコアが深刻だったのは40~60代の「中高齢層の女性」。グラフを見ると24.1%と圧倒的で、約4人に1人が基準値オーバーという結果でした。これは、割合でみると中高年女性の口臭は男性の2倍、ということに。なんとも驚きです。
しかしほんとうに心配しなければならないことは、口臭の原因である「歯周病がもたらす健康リスク」が高いということです。
この口臭調査と女性の口臭について、時事メディカルが「口臭、女性の方が深刻!?日本人の9割気にするが(2019/06/06)」の記事で歯科医師の若林健史氏に取材をしています。
それによれば、口臭には一時的に臭いが発生する『生理的口臭』と、主に口腔内の疾患や汚れに端を発する『病的口臭』があり、この病的口臭の原因となる歯周病は、女性ホルモンの分泌量の変化が、口腔内の血液循環やプラーク中の細菌に影響を与える関係で、女性の方がより罹患(りかん)リスクが高いのだと、若林医師が語っています。
(1)思春期:ホルモンのバランスが変化しやすい思春期
(2)妊娠・出産期:ホルモンが細菌の一種の発育を促進し、歯茎から出血しやすくなる妊娠・出産期
(3)更年期:ホルモンのバランスが崩れ、歯周組織が変化する更年期
この3つの時期が要注意ということです。
このように口臭と言えば中年男性のイメージが強かったのですが、口臭リスクを抱えていたのはむしろ女性だったのです。その口臭の最大の原因は歯茎の奥の歯石に巣食う歯周病菌のひとつF.n.菌。臭いの原因菌として知られます。
嫌気性菌のF.n.菌は、バイオフィルムに守られながら歯周ポケットの奥に棲息するため、歯ブラシでは取り除くことが非常に難しい菌です。いちばんの方法は歯科医院で定期的に歯石除去(プラークコントロール)などメンテナンスしてもらうのがベストな選択。
これからの日本も欧米のように、歯科は治療に行くのではなく、虫歯や歯槽膿漏にならないために行く場所としてお付き合いするのが重要になります。特に女性はリスクが大きいので、口臭対策としてもデンタルケアは大切です。
いろいろとご紹介してきましたが、すべての原因は口内の菌バランスの乱れが発端になっています。つまり日頃より口内の菌叢(口内フローラ)を良い菌優位に整えることでこうしたリスクは減らすことが期待できます。
「K12M18」や「ロイテリ菌」「L8020」など、お口の菌活のための菌が複数ありますので毎日のケアに取り入れることをお勧めします。
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