お口の生態系コラム
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今昔 口臭調査-はたして平安美女でも口は臭かったのか?

歯磨きしまSHOW 2021.01.21

今回は絶世の平安美女を悩ませた“口臭”についてご紹介します。
口臭と言えば「消せる口臭と、どうしても消せない口臭の記事」でも調査データをご紹介しましたが、マスク着用によって自分の口臭に気づいた人は54.3%。なんと半数の人はそれまで自分の口臭には気づいていなかったのです。

記事リンク:消せる口臭と、どうしても消せない口臭

人の口臭はわかるけれど、自分の口臭にはなかなか気づけないもの。今回は、平安時代末期の絶世の美女でも口臭に悩んでいたことをご紹介したいと思います。

平安時代の美女も悩んだ口臭

歯みがきが仏教伝来とともに伝わったのが平安時代。当時も現代と同じように口臭は人々の悩みの種だったようです。その光景は、様々な病を集めて絵巻物にした平安時代末期の絵巻物『病草紙(国宝)』に垣間見ることができます。

平安時代の絵巻『病草紙 口臭の女』
京都国立博物館所蔵

この絵はそのものずばり「口臭の女」というタイトル。美貌で名高いひとりの女官が口臭を消そうと房楊枝で歯を磨き、横の女官はそのあまりの臭さに袂で鼻を覆っています。

絵巻には「都に女あり、眉目秀麗で髪姿も非常に美しく、男たちは近づき、心尽くしたが、彼女の息があまりに臭く、近寄ってはたちまち鼻をふさいで逃げてしまうし、ただ居るだけでも傍らの人は臭さに耐えがたい」とあるので、よっぽど口臭がひどかったのでしょう。

口臭はどうして出るのか?

口臭については「消せる口臭と、どうしても消せない口臭の記事」でも試験データとあわせて詳しくご案内していますが、次に簡単にご案内します。

口臭の原因は歯周病、内臓疾患など様々ありますが、代表的なものとして知られているのが、口臭の原因菌として知られるF.n.菌(F.nucleatum)。この菌は、歯垢・歯石などプラークの中心的菌で、他の細菌と集まってバイオフィルムを形成します。

このバイオフィルムは下水溝のヌルヌルのようなもので、一種のバリアのような役目を果たすためとても厄介です。 むし歯の原因菌は糖を栄養源としてネバネバした物質をつくり厚い膜状(バイオフィルム)になります。むし歯の原因菌はこの膜に守られて増え続け、歯と歯肉の境目についたプラークは歯と歯肉の隙間(歯周ポケット)を広げさらに奥へ・・・

これが歯周病となり、F.n.菌によって口臭がどんどんひどくなる、というわけです。絵巻の平安美女も、もしかしたら歯周病だったのかもしれませんね。

世界が注目する口臭対策とは?

こうした口臭の対策として、歯みがきやフロス、マウスウォッシュなどたくさんの製品・方法があふれています。何をしたらいいのか迷いますが、お口のケアでいちばんベーシックな方法と言えば歯みがきです。

重要なのは、昔も今も歯みがきで口内の汚れ(ゴミ)をブラッシングして吐き出す。さらにデンタルフロスで隠れた汚れも取る。

しかしここで注意したいのが「殺菌剤の多用」です。お口の悪玉菌を抑えるのは、お口の善玉菌。日常的に殺菌剤を使用すると善玉菌まで殺してしまい、口内フローラが壊れて菌バランスが乱れ、かえって悪玉の耐性菌を生むリスクも秘めています。

そして今、世界で注目している人が増えてきているのがプロバイオティクスの力。殺菌剤を使用せず、歯みがきでお口の汚れを吐き出したら・・・お口の善玉菌(K12M18など)を補充して、自然の口腔善玉菌の力で悪玉菌を抑えるという方法です。

もともと体に備わった自然の力を最大限に生かす、いま世界で注目されている新しいデンタルケア方法を取り入れてみてはいかがでしょうか。

<代表的なお口の善玉菌>

■K12M18 (K12/M18/ブリス菌) ※医療関係者情報
■ロイテリ菌
■L8020乳酸菌(Lactobacillus rhamnosus KO3)

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